リウマチの診断基準とは? medical column
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リウマチの診断基準とは??
リウマチには診断基準が存在し、リウマチの診断に多いに役立っています。関節リウマチを深く理解するために、どのような診断基準があるのかを知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、「関節リウマチの診断基準」をテーマにお届けしていきます。
リウマチの診断基準~米国・欧州リウマチ学会~
間接リウマチは、少なくとも1つ以上の関節の腫れがあり、他の疾患では説明できないことを前提に、下記の項目で6点以上あれば明らかな関節リウマチと診断されます。
(2010ACR/EULAR関節リウマチ分類基準)ただし、こちらはあくまで基準であるため、基準に当てはまるが、関節リウマチではない場合も考えられます。
◇ 腫脹または圧痛関節数 | |
大関節の1ヵ所 | 0点 |
大関節の2~10ヵ所 | 1点 |
小関節の1~3ヵ所 | 2点 |
小関節の4~10ヵ所 | 3点 |
最低1つの小関節を含む11ヵ所以上 | 5点 |
◇ 血清反応:RF,CCP抗体 | |
RF,CCP抗体の両方が陰性 | 0点 |
RF,CCP抗体のいずれか低値陽性 | 2点 |
RF,CCP抗体のいずれか高値陽性 | 3点 |
◇ 炎症反応 | |
CRP,ESRの両方が正常 | 0点 |
CRPもしくはESRのいずれか高値 | 1点 |
◇ 罹患期間 | |
6週未満 | 0点 |
6週以上 | 1点 |
早期関節リウマチの診断基準~日本リウマチ学会~
関節リウマチを早期に診断するための助けとして、日本リウマチ学会による早期リウマチの診断基準があります。下記の6項目のうち3項目以上を満たす場合に早期関節リウマチとなります。
・3関節以上で、指で押さえたり動かしたりすると痛みがある
・2関節以上で腫れがある
・朝のこわばり
・リウマトイド結節がみられる
・ESR(赤沈値)20mm/hr以上の高値またはCRPが陽性
・血液検査でリウマトイド因子が陽性である
朝のこわばりとは?
朝のこわばりとは、朝の起床時に手や足の指がこわばって関節を動かしにくく感じることをいいます。
リウマトイド結節とは?
リウマトイド結節とは、肘や膝など、物理的刺激を受けやすい部位にできやすい結節です。大きさは米粒サイズのものから大豆サイズのものまであり、一般に痛みはありません。
関節リウマチの検査について
続いて関節リウマチの検査について見ていきましょう。
CRP
CRPとは、リウマチによる関節炎の程度を表す値であり、正常値は0.3mg/dL以下です。
抗CCP抗体(ACPA)
抗CCP抗体が高値の人は関節リウマチであることが多く、または将来関節リウマチになる可能性が非常に高くなります。ただし、関節リウマチ患者さんの約10~20%で陰性になるため、陰性だからと言って関節リウマチではないと完全に否定することはできません。
リウマチ因子(RF)
リウマチ因子はリウマトイド因子とも呼ばれ、関節リウマチの患者さんの約80%が陽性になるものです。
マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
マトリックスメタロプロテアーゼ3は、関節組織破壊に関わる酵素であり、早期関節リウマチにおいても、血清中MMP-3は高値を示します。そのため、関節リウマチ診断の補助に使われます。
血沈(赤血球沈下速度)
血沈は、血液中の赤血球が、試験管の中を一定期間内にどれぐらい沈むかを調べ、沈下する速度により炎症反応を見ます。
X線検査
X線検査では、関節周囲の骨が欠けて虫食いのようにみえる骨びらんや、関節の隙間の狭小化などからリウマチの進行度がわかります。
まとめ:リウマチの診断基準とは?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・米国・欧州リウマチ学会のリウマチ診断基準や、日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準が存在する
・基準に当てはまるが、関節リウマチではなかったということも考えられる
・リウマチ検査ではRFやCRPなどがもちいられる
以上の点が重要なポイントでした。リウマチ検査における、CRPやRF、CCP抗体など、これらがどのようなものなのか、疑問に思われていた方もいるかもしれませんね。関節リウマチは、複数の検査や症状確認をおこなって診断されるものですので、診断の基準と自身の値を知ることによって、状態についても理解できるでしょう。
船橋市になるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)には、リウマチ内科がありますのでリウマチの疑いがある方などはご相談いただければと思います。
アレルギー科/呼吸器科/循環器内科/糖尿病内科/脳神経内科となっております。
住所:千葉県船橋市西船4-11-8 三星西船ビルB棟