冬の乾燥した環境によって感染症の感染リスクが増すのはなぜ? medical column
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冬の乾燥した環境によって感染症の感染リスクが増すのはなぜ?
「冬になると毎年といってもいいほど風邪をひいてしまうのはなぜ…」
「冬に感染症が流行するのはなぜだろう…」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?乾燥する冬の時期になると、感染症が流行し、毎年のように体調を崩してしまう方もいらっしゃるでしょう。では、なぜ冬になると、感染リスクが増してしまうのでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より「冬の乾燥した環境と感染症」をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。

冬は感染症にかかりやすい
冬は、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。それは、気温と湿度が関係しており、乾燥した環境だとウイルスが空中に浮遊しやすくなってしまいます。さらにウイルスの生存期間、感染力を持つ期間が長くなるため、冬には感染症の感染リスクが高まるのです。
ウイルスが浮遊しやすい乾燥した環境は、感染症にかかっている人がくしゃみや咳をすると、ウイルスは遠くまで飛散してしまいます。逆に湿度がある環境では、ウイルスはすぐに地面に落ちます。
バリア機能の低下
冬の環境によってウイルスが活発化するだけでなく、人の身体の変化も感染症にかかりやすくなっています。乾燥するとウイルスは付着しやすくなり、鼻や喉の粘膜を保護するバリア機能が低下して感染症にかかりやすくなります。
また、冷たい空気が鼻の中に入り続けることで、鼻の中の温度が下がり、免疫の働きも低下してしまいます。そのほか、喉が乾燥していると、炎症をおこしやすくなっています。
線毛の運動能力低下
気道内にある線毛は、鼻や喉から入りこむウイルスの侵入を防ぐ働きを持ち、1秒間に約15回程度の速さで動いています。しかし、冬の乾燥によって運動能力が低下してしまい、感染リスクが高まってしまうのです。
換気の機会が減る
冬は室内で過ごすことが多くなり、暖房機器を使ってなるべく部屋を暖かくしようとすることで、換気の機会が減ってしまいがちです。そのようななかで、密閉された空間に人が集まれば、感染リスクは高まってしまいます。暖房機器は空気の乾燥を助長させるため、加湿を考えなければなりません。
冬の感染リスクを減らすには?
冬は感染症にかかりやすい季節であり、これまでお伝えした乾燥に対処する必要があります。湿度が40%以下になると、ウイルスが活発に浮遊しますので、50%~60%の湿度になるように、加湿器や濡れタオルを干したりして対策しましょう。逆に湿度が高すぎるとダニやカビの原因になるため要注意です。
喉の乾燥が気になるときには、のど飴を舐めるようにしましょう。唾液の分泌が促され、喉が潤います。そのほか、マスクの着用も喉の乾燥を防ぎながら、感染症対策をおこなうことが可能です。
水分補給も忘れずに
夏はこまめに水分を摂る方は多いですが、冬になると水分を摂るのを忘れがちです。冬も脱水症状をおこすことがありますので、忘れず水分補給をするようにしましょう。また、水分を摂ることによって、線毛が潤って正常に機能が働きます。
まとめ:冬の乾燥した環境によって感染症の感染リスクが増すのはなぜ?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・冬の乾燥した環境だとウイルスが空中に浮遊しやすくなってしまう
・冬の乾燥した環境で感染症にかかっている人がくしゃみや咳をすると、ウイルスは遠くまで飛散してしまう
・冬の乾燥した環境では、鼻や喉の粘膜を保護するバリア機能が低下して感染症にかかりやすくなる
・冬は換気の機会が減り、それによっても感染リスクは高まる
以上の点が重要なポイントでした。部屋の加湿やマスクを着用して、冬の感染症対策はばっちりおこないましょう。