発熱に伴う嘔吐|吐いてしまったときの正しい対処方法について medical column
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発熱に伴う嘔吐|吐いてしまったときの正しい対処方法について
「発熱に伴って嘔吐してしまう…」「繰り返し嘔吐と下痢症状がある…」このような場合にはどのような病気が考えられるのでしょうか?また、吐いてしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より発熱に伴う嘔吐をテーマにお届けしていきます。

発熱の定義
感染症法では、37.5度以上を発熱、38度以上を高熱と定義されています。ただし、平熱は人によって異なるため、37.5度に達していなくとも、熱を感じれば発熱といって良いでしょう。
なぜ人は発熱するのか?
体温は視床下部の体温中枢で調節されており、風邪などを引くと免疫力を高めるために体温中枢のセットポイントを上昇させ、病原体の力を弱めます。
嘔吐が起こる原因は?
嘔吐は胃や腸の内容物を口から吐き出すことであり、嘔吐すると内容物が排出されるため、吐き気が治まることは良くあります。嘔吐の原因は、体内に入った異物を排出するためや薬の副作用によるもの、何らかの病気によることで起こります。また、乗り物酔いやストレス、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取によっても起こります。
嘔吐と発熱が起こる病気
続いて、嘔吐と発熱が起こる病気を見ていきましょう。
インフルエンザ
インフルエンザの主な症状は、咳・高熱・のどの痛み・鼻水ですが、嘔吐や吐き気といった消化器系の症状がみられる場合もあります。また、抗インフルエンザ薬の副作用によっても吐き気・嘔吐の症状があらわれることがあります。
インフルエンザの発熱の特徴は、38度以上、時に40度に近い熱があらわれることがあります。感染の時期としては、11月下旬から翌年3月頃となっていますので、この時期に高熱が特徴的で嘔吐が出る場合にはインフルエンザが疑われます。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の原因となる病原体の多くはウイルスと細菌であり、ウイルスとしてはノロウイルス・アデノウイルス・ロタウイルスなどが挙げられます。ウイルス性胃腸炎で有名なノロウイルスの場合、発熱は37度~38度程度であり、嘔吐や下痢を繰り返します。
主に激しい下痢や嘔吐が何度も繰り返し、熱もみられる場合は感染性胃腸炎が疑われるでしょう。ノロウイルスやロタウイルスは、冬から春の時期にかけて流行します。
そのほか発熱と嘔吐がみられる病気
新型コロナウイルスといえば、発熱・咳・味覚異常・熱などが主な症状ですが、嘔吐や吐き気、下痢といった消化器症状があらわれる場合があります。新型コロナウイルスのオミクロン株は嘔吐症状もあらわれやすいとされています。
そのほか髄膜炎といって、脳や脊髄の表面を覆う髄膜に細菌やウイルスが感染し、炎症が起こる髄膜炎では嘔吐や発熱がみられます。また、特別な病気がなくても、極度のストレスにより微熱や嘔吐が起こる場合もあります。
吐いてしまった場合の対処方法
感染性胃腸炎で嘔吐や下痢が激しい時は、無理に食事をとる必要はなく、脱水症状に気を付けるために少しずつこまめに水分を摂るようにしましょう。吐いてしまった場合は、あわてて水分を飲んでもまた吐いてしまいますので、しばらく経ってから少量ずつ水分補給することがポイントです。
嘔吐物の処理に関して
嘔吐物の処理に関して、手袋・マスク・エプロンを着用し、換気のうえ片付けます。汚染場所と周囲を次亜塩素酸で消毒します。汚染処理をしっかりしない状態で乾燥してしまうと、それが浮遊し感染を広げてしまう可能性がある点に注意しましょう。また、感染を広げないため、嘔吐物はなるべくすばやく取り除くようにすることが大切です。
嘔吐物が付着した衣類については、下洗いのあとに塩素系漂白剤を薄めた液で消毒します。また、85度以上のお湯に1分以上浸したり、高温の乾燥機を使用するとより殺菌されます。
まとめ:発熱に伴う嘔吐|吐いてしまったときの正しい対処方法について
いかがでしたか?今回の内容としては、
・嘔吐は、異物の排出・薬の副作用・病気などの原因によって起こる
・嘔吐と発熱が起こる病気には、感染性胃腸炎やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどがある
・吐いてしまう場合は、無理に食事をとる必要はなく、少しずつこまめに水分を摂るようにする
以上の点が重要なポイントでした。発熱と嘔吐がある場合には、今回紹介した病気だけでなくあらゆる可能性があります。ですので、症状が辛い場合、まずは医療機関を受診することをおすすめします。