痙攣性の咳発作(痙咳発作)を起こす百日咳とは?大人もかかる? medical column
- TOP
- 痙攣性の咳発作(痙咳発作)を起こす百日咳とは?大人もかかる?
百日咳とは?
百日咳とは、百日咳菌という細菌によって発症する病気であり、その名のとおり長引く咳が主な症状です。7日~10日程の潜伏期間を経て咳や鼻水、くしゃみといった軽い風邪症状があらわれ、徐々に症状が強くなって激しい咳が出る(カタル期)ようになります。
通常、咳は病原体や異物を体外に排出するために生じる正常な反応ですが、百日咳では痙咳発作(痙攣性の咳発作)といって制御不能な短く激しい咳が続き、息を吸い込む際にヒューという呼吸音が聞こえる(痙咳期)のが特徴です。
百日咳の感染経路
百日咳の感染経路は感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染と、感染者の飛沫などによって汚染された物を介して感染する接触感染が挙げられます。軽い風邪症状が徐々に強くなるカタル期が、もっとも感染力が強くなります。
百日咳の予防接種
予防接種として、生後3ヵ月からの四種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ)に百日咳は含まれています。しかし、ワクチンの効果は一生続くわけではないため、小学校就学前・11歳~12歳の時期・成人は、三種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風)の接種が推奨されています。
予防接種を打つことによって、百日咳にかかりにくくなり、かかった場合であっても重症化しにくくなります。
百日咳の予防
百日咳の予防として前項で予防接種について触れましたが、基本的な感染症予防対策も有効です。百日咳に感染している人と接触(看病)することは感染のリスクを高めますので、必ずマスクを着用して対応することをお勧めします。また、手洗いは感染を広げるリスクを軽減するために非常に重要です。
ほかの感染症予防と同様に、充分な睡眠、バランスのとれた食事、ストレスの軽減など、健康的な生活習慣を維持することは、免疫力を高め、病気にかかりにくくすることができます。ただし、これらの予防方法は完全に百日咳を予防できるわけではありません。百日咳に感染した場合は、早期の治療が必要です。
大人も百日咳にかかる場合がある
百日咳は乳幼児や小児がかかる病気と思われていますが、大人もかかる場合があります。大人が百日咳にかかる場合は、咳は長引くものの乳幼児や小児と比較して軽症であり、痙攣性の咳発作はあまりみられません。そのため、百日咳の診断が見逃されることもあります。
百日咳の治療
百日咳の治療として、抗生物質が用いられます。抗生物質は感染症を引き起こす細菌を殺菌する薬であり、早期の対応で症状を軽くする効果が期待されます。
百日咳は何科?
百日咳を含め、感染症による咳は呼吸器内科が専門になっています。咳で辛い場合や止まらない長引く咳にお困りの方は、通常の風邪と自己判断することなく、お近くの呼吸器内科を受診することをお勧めします。
まとめ:痙攣性の咳発作(痙咳発作)を起こす百日咳とは?大人もかかる?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・百日咳は百日咳菌によって発症する病気で、長引く咳が特徴的である
・百日咳では短く激しい咳が続き、息を吸い込む際にヒューという呼吸音が聞こえる(痙咳発作)
・四種混合ワクチンと三種混合ワクチンに百日咳が含まれている
・大人も百日咳にかかる場合があるが、乳幼児と比較して症状は軽い
以上の点が重要なポイントでした。百日咳はその名のとおり、咳症状が長く続きます。感染者との接触があり、咳があらわれてしまった方や、咳が止まらないで困っている方は、呼吸器内科を受診しましょう。