咳で背中が痛くなったり胸が痛くなることがあるのはなぜ? medical column
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咳で背中が痛くなったり胸が痛くなることがあるのはなぜ?
風邪やインフルエンザなど、体調が崩れたときに起こるとても身近な症状の一つが咳です。軽い咳症状であれば気にならないこともありますが、咳とともに痛みがあらわれたり、長期間長く続いたりする場合には、生活に支障をきたしてしまう場合があります。
ときとして、咳症状は胸や背中に影響を及ぼすこともあり、現在その可能性を疑っている方もいることでしょう。
そこで今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、咳で背中が痛くなったり胸が痛くなることはなぜか?という点をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください
咳で胸が痛くなる原因とは?
咳は体内に入った異物や痰を出す働きがあり、防御反応の一つであるのですが、生活に支障をきたしてしまう方もいるように、それ自体も負担になっています。まずは、咳で胸が痛くなる原因から見ていきましょう。
筋肉の疲労
咳のしすぎにより、強い力が加わり続けることで筋肉や軟骨が疲労し、胸に痛みが生じる場合があります。この場合、息を吸い込んだり動いたりすることで、その痛みを感じます。
疲労骨折
疲労骨折とは通常の骨折とは異なり、一度には骨折が起こらない程度の力が、同じ部位に少しずつ加わることで骨にひびが入ったり、ひびが進んで完全な骨折に至るものです。
激しい咳が長期間続く場合には、肋骨に継続的な負担がかかり、肋骨が疲労骨折を起こす場合があります。そして、骨粗鬆症の方など骨が脆くなっている高齢者はなりやすいと言えます。
咳1回でかかる力はたとえ小さくても、何十回何百回と繰り返すことで、起こり得るということを覚えておきましょう。
肺炎
肺炎は細菌やウイルスの感染によって肺におきる急性の炎症であり、発熱・咳・たん・呼吸困難といった症状に加えて、胸痛も症状に挙げられます。
心筋炎
心筋炎とは、心臓の筋肉に炎症を起こすものであり、胸の痛み・息切れ・脈の異常・発熱・筋肉痛といった症状があらわれます。
咳で背中が痛くなる原因とは?
続いて、咳で背中が痛くなる原因を見ていきましょう。
肋骨周りの負担
前項で激しい咳が長期間続く場合に肋骨に負担がかかるということをお伝えしましたが、肋骨まわりに負担が続くことで、背中までその痛みがあらわれる場合があります。
背中の炎症
背中の筋肉にもともと炎症が起こっており、咳によってそれが痛みを起こすことも考えられます。
長引く咳で考えられる病気とは?
通常の風邪であれば、1週間程度で咳は治まりますが、長く咳が続く場合であれば咳喘息・アトピー咳嗽・慢性気管支炎・百日咳などの別の病気の可能性も考えられます。
咳をした時に胸や背中が痛い場合は何科を受診すべき?
咳をした時に胸や背中が痛い場合には、呼吸器内科または循環器内科を受診すると良いでしょう。呼吸器内科は、鼻や喉、気管・気管支、肺など呼吸に関係する症状や病気を専門的に診療し、循環器内科は心臓や血管に関わる病気を専門的に診療します。
まとめ:咳で背中が痛くなったり胸が痛くなることがあるのはなぜ?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・咳は防御反応の一つであるが、それ自体も負担になってしまう
・咳で胸が痛くなる原因には、肋骨の疲労骨折や肺炎などが考えられる
・咳で肋骨まわりに負担がかかり続けると背中まで痛みがあらわれる場合がある
・咳が長く続く病気には、咳喘息・アトピー咳嗽・慢性気管支炎・百日咳などがある
以上の点が重要なポイントでした。1回あたりの咳の負担は小さくても、何十回何百回と続くことで生活に支障をきたしてしまう場合もあります。異変を感じれば、いつもの風邪だろう…と思わず、受診するようにしましょう。