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コロナ後遺症はいつまでつづく?
新型コロナウイルス感染症は、世界中で猛威を振るい、多くの人々に影響を与えました。そして、その感染が治癒した後も、後遺症に苦しんでおられる方は少なくありません。これらの後遺症は、日常生活に支障をきたし、患者の生活の質を大きく低下させる要因にもなっています。
今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋より、コロナ後遺症がどれくらい続くのかという点をテーマにお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
コロナ後遺症とは何か?
まず、コロナ後遺症について理解することが重要です。コロナ後遺症とは、COVID-19感染後に持続的に現れる症状の総称で、急性期の感染が治癒した後も、数ヶ月以上にわたって続くことがあります。これらの後遺症は「Long COVID」とも呼ばれています。
後遺症の主な症状
コロナ後遺症の症状は非常に多岐にわたりますが、日常的な活動をするのが困難になるほどの疲労感や呼吸困難、集中力低下や動悸、味覚障害や嗅覚障害などが挙げられます。これらの症状は、感染後の数週間以内に消えることもありますが、長期間続くことも少なくありません。
コロナ後遺症の持続期間はどれくらいか?
コロナ後遺症がどれくらい続くかは、個々の症例によって大きく異なるため一概には言えず、2ヵ月程度で回復する場合がある一方で、1年以上にわたって症状が続く場合もあります。
厚生労働省の研究班が実施した、八尾市と札幌市での調査によると、感染から3ヵ月後も何らかの症状が続いている人は成人で、14.3%、札幌市で20.9%、そしてどちらの自治体でも1年半後も5%程度の方は症状が続いている、という結果が挙げられています。
コロナ後遺症の長期化について
コロナ後遺症は、特に何をせずとも時間の経過とともに、感染後数週間以内に症状が改善するケースが多いですが、特に重症化した感染者や基礎疾患を持つ患者では、後遺症が長期化する傾向があります。
コロナ後遺症を発症しやすい人について
コロナ後遺症の発症は、年齢、性別、基礎疾患の有無、感染の重症度なども関係していると考えられています。特に、重症化して入院治療を受けた患者や、中年者、女性が長期的な後遺症を発症しやすい人とされています。
後遺症の治療と対応策
コロナ後遺症に対する治療は、症状に応じた対症療法が中心となります。現時点で後遺症を完全に治癒させる特効薬は存在しませんが、適切な対応によって症状の軽減が期待できます。
多角的アプローチ
コロナ後遺症に対しては、医師、理学療法士、心理士など、多職種が連携して治療にあたる多角的アプローチが推奨されています。例えば、呼吸困難が続く患者には呼吸リハビリが効果的であり、集中力の低下には認知行動療法が役立つことがあります。
また、慢性的な痛みに対しては、鎮痛薬や理学療法、精神的なサポートが有効です。
生活習慣の見直し
後遺症の管理には、生活習慣の見直しも重要です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が、症状の改善につながることが示唆されています。また、過度なストレスを避け、リラクゼーションやメンタルケアを取り入れることも、精神的な健康を維持するために有効です。
免疫力の維持と回復
免疫力を維持し、回復を促すことも後遺症の改善に寄与する可能性があります。そのため、栄養バランスの取れた食事や、必要に応じたサプリメントの摂取が推奨されることがあります。
まとめ:コロナ後遺症はいつまでつづく?
いかがでしたか?今回の内容としては、
・コロナ後遺症はLong COVIDとも呼ばれている
・コロナ後遺症がどれくらい続くかは、個々の症例によって大きく異なる
・厚生労働省の研究班が実施した調査によると、感染から1年半後も5%程度の方は症状が続いている
・コロナ後遺症の発症は、年齢、性別なども関係している
以上の点が重要なポイントでした。