右心不全と左心不全とは？どのような症状が起こる？ 船橋市の内科、つばさ在宅クリニック西船橋

心不全とは？

心不全というのは病名ではなく、心筋梗塞や心筋炎といったさまざまな心臓の病気の結果、心臓のポンプ機能が正しく働かなくなった状態のことをいいます。心不全には、急性的に激しい呼吸困難があらわれる急性心不全と、日常的に心臓の機能が低下している慢性心不全があり、慢性心不全は生活習慣病との関連性が高いことが知られています。

右心不全について

心臓は、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋があり、大静脈（上大静脈/下大静脈）・肺動脈・肺静脈・大動脈に連なっています。全身から還流した静脈血は、右心房に入り、右心室を経て肺に送り出されます。肺で血液は酸素を受け取り、ガス交換を行って動脈血に変換されます。ここまでの系を右心系といい、右心不全はこの右心系の機能に障害を起こした状態（右心室の機能低下）のことをいいます。

右心不全の原因としては、
・先天性心疾患
・右室心筋梗塞
・肺性心
・肺高血圧症
・心筋梗塞
などが挙げられます。

右心不全を起こすと、肝臓や胃、腸などの臓器に負担がかかるため、体重増加やむくみなどさまざまな症状があらわれます。

＜右心不全の症状＞
・体重増加
・浮腫
・頸静脈怒張
・食欲不振
・嘔吐
・悪心
・腹水
・胸水
・黄疸　など

左心不全について

肺で動脈血になった血液は、肺静脈を通って左心房に入り、左心房から左心室、左心室から大動脈を経て全身に届けられます。左心不全は、左心室のポンプ機能の障害が強い状態（左心室の機能低下）のことをいい、動悸や息切れ、頭がぼーっとするなどの症状がみられます。

＜左心不全の症状＞
・動悸
・血圧低下
・疲労感
・チアノーゼ
・睡眠時無呼吸
・全身倦怠感
・呼吸困難
・息切れ
・喘鳴
・咳　など

両心不全

左心不全や右心不全のように症状が単独で起きることもありますが、その両方が起こることも少なくありません。そして、左心不全と右心不全の症状がそれぞれあらわれることを、両心不全といいます。

心不全の検査について

心不全かどうかを診断するためには、心不全特有の症状がないかを問診した上でさまざまな検査を行います。
心不全の検査としては、
・胸部聴診…聴診器で心臓の音を聴く検査
・心電図検査（左室肥大/不整脈など）…心電図の波形をみる検査
・胸部X線検査（心拡大/肺うっ血/胸水貯留など）…心臓が拡大していないか、水が肺に溜まっていないかをみる検査
・血液検査…症状の強さにも関係するBNP（脳性ナトリウム利尿ペプチド）を測定
などがあり、総合的に判断します。

血液検査ではBNPを測定しますが、一般的にBNPが高いほど症状が強いため、心不全の有力な手掛かりとなります。

加齢と心不全について

高齢になるとさまざまな臓器の機能が衰えていきますが、心臓も例外ではありません。高齢になると、心臓の筋肉が硬くなっていき弾力性を失っていきますが、それにより血液が流れにくくなるため、年をとると心不全になりやすいのです。心不全を予防するには、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を行うことをおすすめします。

まとめ：右心不全と左心不全とは？どのような症状が起こる？｜つばさ在宅クリニック西船橋（船橋市の内科外来と訪問診療）

いかがでしたか？今回の内容としては、
・心不全は心臓のポンプ機能が正しく働かなくなった状態のこと
・右心不全は右心室の機能低下のことであり左心不全は左心室の機能低下のこと
・心不全の検査には胸部聴診や血液検査がある
・左心不全は動悸、血圧低下、疲労感、チアノーゼなどの症状がみられる
・右心不全は体重増加、浮腫、食欲不振などの症状がみられる
以上の点が大切なポイントでした。心不全は加齢とともにリスクが高まるため、生活習慣を整えるとともに、不安点があれば検査を受けることをおすすめします。

船橋市になるつばさ在宅クリニック西船橋（内科）には循環器内科がありますので、心不全の疑いがある方や違和感を覚えている方は、お越しいただければと思います。