糖尿病からくる皮膚のかゆみ~糖尿病と皮膚の関係~ medical column
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糖尿病からくる皮膚のかゆみ~糖尿病と皮膚の関係~
「糖尿病でなぜ皮膚がかゆくなるのだろう…」
糖尿病になると皮膚のかゆみや乾燥といった症状があらわれることがありますが、糖尿病患者さんは糖尿病と皮膚の関係を知ることが大切であり、深く理解することで症状悪化防止につながります。
そこで今回は、船橋市にあるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)より、「糖尿病からくる皮膚のかゆみ」や「糖尿病と皮膚の関係」をテーマにお届けしていきます。
糖尿病で皮膚のかゆみや乾燥が起こるのはなぜ?
糖尿病で皮膚が乾燥するのは、脱水が原因の1つとして考えられます。高血糖になると、タンパク質がブドウ糖と結合して細胞が劣化してしまう糖化が起こります。この糖化は、皮膚の老化、そして機能低下を引き起こしてしまい乾燥の原因となります。
また、糖尿病が進行すると合併症を引き起こし、三大合併症のひとつである神経障害があらわれてしまうことがあります。この神経障害は自律神経にも影響を及ぼし、発汗しにくくなることで皮膚表面の水分量を減らし、乾燥やかゆみが起こってしまいます。
冬はさらに乾燥しやすくなるので注意が必要
冬はさらに乾燥した空気や暖房によって、皮膚が乾燥しやすくなります。皮膚が乾燥すれば皮膚のバリア機能を低下させてしまい、ひっかき傷も加わって細菌やウイルスが侵入してしまいます。
糖尿病と皮膚の感染症の関係とは?
皮膚の乾燥によって小さな傷ができやすくなりますが、これに血流障害が加わって傷が治りにくく、そして感染症になりやすくなります。糖尿病における血管障害では血管が詰まりやすくなることで手足などの皮膚に悪い影響が出やすいため、糖尿病足病変などには十分注意する必要があります。
糖尿病足病変とは?
糖尿病足病変とは、糖尿病患者さんの足に起こるトラブルの総称であり、足に生じる水虫や細菌感染、うおのめなどによって、炎症が起こります。糖尿病の神経障害により痛みを感じにくくなるため、進行しても自覚症状が乏しくなります。最悪の場合では、足を失ってしまうこともあるため、皮膚のチェックやスキンケア、血糖コントロールが重要になってきます。
糖尿病は保湿・スキンケアが重要
糖尿病のフットケアとして、病院から処方された軟膏やクリームを、指示どおり従って使用しましょう。皮膚症状が落ち着くと保湿剤を塗るのをやめてしまう方もいらっしゃいますが、症状が落ち着いても継続して使用し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。
糖尿病は血糖コントロールが重要
糖尿病の悪化や合併症、感染症を防ぐためには血糖コントロールが非常に重要です。薬の飲み忘れや、服用量を間違えることで血糖値が乱れてしまいますので、糖尿病のあらゆるリスクを意識してしっかり指示通り服用しましょう。
糖尿病は皮膚のチェックが重要
糖尿病患者さんは、下記のような皮膚チェックをかかさずおこないましょう。
・皮膚が乾燥していないか?
・皮膚にかゆみがないか?
・皮膚の感覚はあるか?
・水虫ができていないか?
・皮膚に傷がついていないか?
・たこやうおのめ、靴擦れがないか?
血糖コントロールやスキンケアと合わせて毎日皮膚チェックをおこなうと、皮膚トラブルの予防につながります。また、万が一ひび割れやうおのめなどが発見されれば、早めに主治医に相談しましょう。
糖尿病で皮膚トラブルを予防するために気を付けることとは?
糖尿病で皮膚トラブルを予防するために、ケガややけど、日焼けに気を付けましょう。また、靴擦れや水虫が足病変を招くきっかけにもなりますので、大きな靴やきつい靴をはかずに自分の足に合った靴、そして蒸れない通気性のよい靴を選びましょう。
まとめ:糖尿病からくる皮膚のかゆみ~糖尿病と皮膚の関係~
いかがでしたか?今回の内容としては、
・糖尿病の神経障害によって発汗しにくくなって乾燥やかゆみが起こる
・冬は乾燥しやすくなるため特に注意が必要
・皮膚の乾燥によって小さな傷ができやすくなり、血流障害が加わって感染症になりやすくなる
・糖尿病は皮膚の保湿や血糖コントロールが大切
以上の点が重要なポイントでした。糖尿病患者さんには皮膚トラブルが起きやすく、それによって壊疽などにつながる場合もありますので、今回の内容を参考にしていただければと思います。
船橋市になるつばさ在宅クリニック西船橋(内科)には、糖尿病内科がありますので糖尿病の疑いがある方などはご相談いただければと思います。
アレルギー科/呼吸器科/循環器内科/糖尿病内科/脳神経内科となっております。
住所:千葉県船橋市西船4-11-8 三星西船ビルB棟